Wednesday, April 10, 2019 10:17 AM

桜島の噴火過程を解明 東北大、マグマ急上昇

 東北大などの研究チームが鹿児島市の桜島で15〜20世紀に3回起きた大規模噴火の直前にマグマがたまった地下の領域を特定したと9日までに英科学誌に発表した。従来の想定より浅く、マグマの上昇開始から最短1時間ほどで噴火する恐れがあるが、迅速な避難や対策で減災が期待できる。

 研究は、地下深くなるほどマグマが水を多く含む性質を利用。1914年の大正噴火に加え、1471年(文明噴火)と1779年(安永噴火)の各大噴火時に軽石として噴出したマグマを分析し、噴火直前にたまっていた深さを推定した。

 その結果、桜島直下の深さ1〜3キロの領域だったことが判明。これまでは桜島の北の姶良カルデラ地下約10キロのマグマだまりから徐々にマグマが上昇したと考えられてきたが、実際はマグマがより浅い領域から「火道」と呼ばれる通り道を急上昇していたとみられる。(共同)