Wednesday, April 17, 2019 10:57 AM

農産物関税はTPP水準 日米交渉、ネット取引対象

 日米両政府は16日(日本時間17日)、2日間にわたってワシントンで開いた閣僚による新たな貿易交渉の初協議を終えた。両国は農産物や自動車など工業製品の関税分野を先行して本格的な交渉に入り、農産物は環太平洋連携協定(TPP)水準を限度にすることで一致した。インターネットを使った商取引や音楽配信などのデジタル貿易分野も協議することで合意。米国は巨額の対日貿易赤字に不満を表明し、農産物輸出を一層拡大できるよう求めた。

 両国は米大統領選が本格化する今年9月をめどに、農産物に加え、自動車などの工業製品も含め交渉の大枠をまとめたい考えだ。合意にこぎ着けられれば米国の牛肉や豚肉、乳製品、カリフォルニアワインなどの関税が下がり、国内農家は厳しい競争にさらされることになる。

 日本は交渉範囲を当初予定していた関税分野に限定できず、米国側が求める為替介入などの意図的な通貨安誘導を禁じる「為替条項」が盛り込まれる余地を残した。協議後に記者会見した日本側代表の茂木敏充経済再生担当相は、為替条項は「財務当局者の間で話し合うべきものだ」と主張したが、日本はTPPで譲歩しており、導入は不可避との観測が強まった。一方で車輸出の数量規制は拒否する方針。(共同)