Tuesday, April 23, 2019 10:26 AM

選手、球団の思惑一致 大リーグで契約延長ブーム

 大リーグでは今年、空前の契約延長ブームが起きている。個人の契約として北米プロスポーツ史上最高の12年総額4億2650万ドル(約478億円)でエンゼルスとサインした外野手トラウトを筆頭にロッキーズの内野手アレナド、ブレーブスの外野手アクーニャら実績ある選手から若手まで続々と長期契約を結んだ。背景には選手、球団の思惑の一致がある。

 従来、選手はフリーエージェント(FA)市場で最大限の条件を引き出してきた。だが、近年は球団がFAでの支出を渋り、市場が停滞する傾向にある。開幕後も所属先の決まらない有力選手は多く、メジャー屈指の外野手ハーパー(フィリーズ)や内野手マチャド(パドレス)ですらキャンプインまでに合意に至らなかった。トラウトは「それが僕にとって(FAの危険性を知らせる)赤い旗だった」と地元紙に語った。

 選手がFAを避ければ、球団は自由競争を経ずに才能を確保できる。ただ、長期契約には選手が期待通りの活躍をしないリスクが常につきまとう。スポーツ専門局ESPN(電子版)は2016年1月にオリオールズと7年契約で合意した内野手デービスが今季、野手の連続打数無安打のメジャー記録を更新したことを「教訓である」と指摘した。(共同)