Friday, May 10, 2019 10:55 AM

出資金返還請求を棄却 緑のオーナー、33人敗訴

 国有林の育成に出資し木材販売収益の分配金を受け取る林野庁の「緑のオーナー制度」で、国が伐採を実施しなかったことは契約違反に当たるとして、男女33人が出資金計約2900万円の返還を国に求めた訴訟で、大阪地裁は10日、請求を全面的に棄却した。

 制度は1984年に始まり、新規募集を停止した99年までに約8万6000の個人・団体が約500億円を出資。原則1口50万円でスギやヒノキのオーナーになり、育成後に木を競売にかけ収益の一部を分配する仕組みだったが、多くが売れ残り9割以上が元本割れした。

 判決理由で金地香枝裁判長は、出資金に丸太にするための加工費用などは含まれておらず、伐採しての販売は「制度設計上、想定されていなかった」と指摘。立木のままの販売には合理性があり、契約違反には当たらないとした。(共同)