Tuesday, May 14, 2019 10:20 AM

武田、赤字3830億円へ 欧州大手買収が影響

 武田薬品工業は14日、2020年3月期の連結純損益が3830億円の赤字(前期は1091億円の黒字)になる見通しだと発表した。1月に買収した欧州医薬品大手シャイアーが持つ在庫品の評価を見直した結果、関連の費用が膨らむ。買収の影響を除く実質的な利益は大幅な増益を予想。売上高は前期比57.4%増の3兆3000億円で、日本の製薬会社として初めて3兆円を超えると見込んだ。

 武田のクリストフ・ウェバー社長は東京都内で開いた記者会見で、成長領域と位置付けるがん治療薬や血液製剤などの5分野について「非常に独自性が高い製品で、武田の将来を支える」と強調した。研究開発の効率化や営業拠点の統廃合でコスト削減を進める考えも示した。

 同時に発表した19年3月期連結決算は、売上高が18.5%増の2兆972億円だった。潰瘍性大腸炎などの主力薬の販売が拡大したほか、シャイアー買収で3092億円の増収効果があった。(共同)