Thursday, May 16, 2019 10:21 AM

核合意巡り対米交渉せず イラン外相、日本に不満

 米国の核合意離脱と対イラン制裁再開による両国の緊張激化で偶発的衝突の懸念も出る中、来日中のイランのザリフ外相は16日、東京都内で共同通信などのインタビューに応じた。米国による核合意の尊重が必要で「(緊張や制裁の緩和に向けた)取引はしない」と述べ、対米交渉に乗り出す可能性を否定した。また、核合意の維持に向け「日本は何ら行動を取っていない」と不満を表明した。

 ザリフ氏は主要な原油輸出先のインドに続き、緊急来日した。17日には中国・北京に移動して王毅国務委員兼外相と会談すると明らかにした。外交攻勢で米国主導のイラン包囲網構築に対抗する狙いがあるとみられる。

 米国はイランを「脅威」とし、核活動や弾道ミサイルの開発の中止などを要求。イランが中東の駐留米軍などを攻撃する恐れがあるとして、空母や爆撃機を派遣、両国の緊張が激化している。(共同)