Wednesday, May 29, 2019 10:34 AM

機密暴露での追起訴に非難 「言論の自由」巡り危機感

 内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジ被告の追起訴された罪が、米機密文書の暴露だったことに米国で非難が高まっている。トランプ政権が「言論の自由」を攻撃していると主要紙が危機感を表明。人権団体も問題視し、米側への身柄の引き渡しに英当局が慎重になるとの見方も出ている。

 英警察が被告を逮捕した4月11日に米司法省が発表した起訴罪状は、機密文書入手のため米政府のコンピューターに侵入したサイバー犯罪だった。だが5月23日に発表した追起訴では「機密文書を不正入手して暴露」したことを罪に問い、スパイを取り締まるスパイ活動法を適用。「言論の自由」を保障した合衆国憲法修正第1条に抵触するとの議論が噴出した。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、機密情報の入手と発信はジャーナリズムが常に行っていることだと社説で指摘。トランプ政権が今回の起訴で一線を越え、「報道の自由の基礎に対する攻撃に及んだ。民主主義への脅威だ」と非難した。(共同)