Monday, June 10, 2019 10:18 AM

瀬戸際のイラン核合意協議 IAEA、緊張激化を懸念

 国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が10日、ウィーンで始まった。米国による制裁再発動を受け、イランが5月8日に核開発を制限する合意の一部履行停止を表明、存続の危機に追い込まれたイラン核合意を巡る情勢などを協議する。

 天野之弥事務局長は理事会冒頭で「イラン核合意を巡り緊張が高まっていることを懸念している」と指摘。核合意により検証体制が強化されていることを強調し、対話による解決を求めると同時に、イランには合意順守を促した。

 低濃縮ウラン保有量上限の順守停止を表明したイランは5月20日、低濃縮ウランの増産も発表。外交筋によると、同日時点で174.1キロだった保有量は、6月上旬までの約2週間で約6キロ増の約180キロになり、上限の202.8キロ(六フッ化ウラン換算で300キロ)に近づいている。(共同)