Monday, June 10, 2019 10:20 AM

米との緊張緩和目指す イランは原油制裁停止重視

 安倍晋三首相が12日からイランを訪問する日程が大枠で固まった。13日までテヘランに滞在し、ロウハニ大統領、最高指導者ハメネイ師と会談を予定。イラン核合意を巡り米国との対立が続く中、双方の対話を通じた緊張緩和を仲介したい考えだ。イラン側は会談で、米国による原油禁輸制裁の停止を最重要の要求と位置付け「対話に向けた第一歩になる」としてトランプ大統領に伝えるよう首相に依頼する方針であることが分かった。

 日本の現職首相のイラン訪問は1978年の福田赳夫氏以来41年ぶり。ハメネイ師と会えば、79年のイラン革命以降、最高指導者との初めての会談となる。首相は10日の自民党役員会で、イラン訪問方針を表明し「中東の安定は日本の安定に直結する。先輩たちの築いた友好的な基盤の上に建設的な役割を果たしたい」と述べた。

 首相は、日本がイランと友好関係を維持してきた立場から、イランが欧米などと結んだ核合意の順守を説得する。米国の制裁に反発するイランの主張にも耳を傾け、米側との接点を探る。(共同)