Friday, June 21, 2019 10:10 AM

読書バリアフリー法成立 障害者対応、国の責務

 視覚障害や発達障害のある人らが読書しやすい環境を整える「読書バリアフリー法」が21日の衆院本会議で全会一致により可決、成立した。点字図書や音声読み上げに対応した電子書籍の普及を国や地方自治体の責務と定めた。

 肢体不自由なども含め、多様な障害により書籍を読むことが困難な人を対象とし「障害の有無にかかわらず、全ての国民が文字・活字文化の恵沢を享受できる社会の実現に寄与する」と明記した。近く施行される。

 従来の点字や拡大文字の図書に加え、IT機器の音声読み上げ機能などを使って障害のある人も利用可能な電子書籍を普及させ、質の向上を進める。国や自治体に対し、図書館の蔵書充実や、インターネットを通じて点字図書などを提供する仕組みへの支援を求めた。

 国には基本計画の作成と財政措置を義務付け、自治体にも計画作成の努力義務を課した。実効性を持たせるため、国が障害のある人や図書館関係者、書籍製作者らを交えた協議の場を設けることを規定した。

 同法を巡っては2008年ごろ、視覚障害者らの間で制定を求める動きが本格化。政府が昨年、障害者の読書環境整備を求めたマラケシュ条約を締結したことも踏まえ、超党派の議員連盟が法案をまとめ、議員立法で提出された。(共同)