Tuesday, September 13, 2016 10:06 AM

揺らぐオバマ政治の遺産 担い手が関連事業縮小

 オバマ政権最大の政治的遺産になると位置づけられる医療保険改革「オバマケア」が揺らいでいる。改革の担い手となる米保険業界が不採算を理由に関連事業を縮小し、制度運用に反旗を翻しているためだ。業界再編を巡る政府との対立も影を落とし、11月の大統領選で争点の一つとなっている。

 オバマケアは、2010年に成立した医療保険改革法に基づき14年に本格実施された。日本のような国民皆保険制度がない米国で、保険加入率を高めることを目指した改革は民主党リベラル派の長年の悲願だった。

 改革法は、低所得者向けの公的補助金を通じて全国民に保険加入を義務付けた。保険会社に対しては、顧客の既往症を理由に加入を拒むことを禁じた。このため「病気になるリスクが高く、コストもかかる加入者が増えた」(保険関連協会の報告書)とされる。(共同)