Tuesday, May 13, 2025 7:00 AM
ZF、次世代レンジエクステンダー技術を発表
自動車部品大手ZFは、新世代のレンジエクステンダー(航続距離延長)技術を発表した。2026年に量産を開始する予定。
グリーンカー・コングレスによると、レンジエクステンダーは、電動車の電気システムに小型の内燃エンジンが連結され、車載電池の充電状態が一定の水準を下回るとすぐに発電機が作動する。常に燃料消費に理想的な性能範囲で走行するため、低燃費が保証され、二酸化炭素(CO2)の排出量も低く抑えられる。
ZFは近年、レンジエクステンダー技術の量産を開始し、技術はすでにロンドンのタクシーなどに搭載されている。現在は次世代の電動レンジエクステンダー「eRE」と電動レンジエクステンダー・プラス「eRE+」の開発に取り組んでいる。
どちらも高度に統合された設計になっており、性能、電子電気(E/E)アーキテクチャー、400ボルト(V)または800V電圧システム、半導体タイプなどの点で柔軟性がある。「eRE」は、インバーター、ソフトウェア、遊星ギアセットを内蔵したモーターを接続し、「eRE+」はインテリジェント・クラッチとディファレンシャルも備えている。
どちらもジェネレーター、または追加の二次ドライブとして使え、メーカーは別のコンポーネントを開発する必要がない。出力は、「eRE」が70〜110キロワット(kW)、「eRE+」が70〜150 kW。
レンジエクステンダーは、ブラグインハイブリッド車(PHV)などのパラレルハイブリッド・システムに比べ、追加コストが低い、開発サイクルが短い、プラットフォームへの負担が少ない、サプライチェーン(供給網)管理が簡素化できる…といった利点がある。このため、特に市場に参入したばかりで従来の内燃エンジン駆動系の経験がほとんどないメーカーなどにとっては魅力的な技術になる。
中国では現在、メーカー各社が700キロメートル(km)以上の航続距離を実現する航続距離延長型EV(REEV)のモデル開発を競っており、そうした背景からレンジエクステンダーの開発はZFの中国拠点が担当している。