Thursday, August 14, 2025 7:14 AM

フォード、50億ドルで低価格のEVライン開発へ

 フォードは50億ドルを投じ、新たな低価格EVラインを開発する計画を明らかにした。赤字続きのEV事業でこれまで実現できなかった「大衆への浸透」を目指すと、ブルームバーグが伝えた。

  フォードは新たに開発した「ユニバーサルEVプラットフォーム」に基づいたEVシリーズを展開する。27年に3万ドルの中型ピックアップトラックを投入するのを皮切りに、クロスオーバーSUVや配車サービス向けのモデルなどを平均価格で1万ドル下回る4万ドル未満で販売していく。

フォードはこれまで、電動ピックアップトラック「F150ライトニング」などで販売目標を達成できなかったため、低価格化目指すことにした。

  ジム・ファーリーCEOは、新EVシリーズを、急速に影響力を強める比亜迪(BYD)や吉利汽車などに対抗する「フォードの大きな賭け」と位置づけている。以前の大型車モデル電動化という戦略からの「大きな方向転換」となる。まず、ケンタッキー州ルイビルの工場に20億ドルを投じ、生産終了予定のガソリン車のエスケープSUVから新EVラインの製造へと転換する。

  フォードは昨年、EV部門で51億ドルの損失を計上し、今年の赤字はさらに拡大する可能性がある。ファーリー氏は、新型EVは、「発売初年度で手頃な価格かつ黒字化すること」が条件だと明言している。EVの価格の高さが、一般消費者を遠ざけているためだ。