Friday, August 02, 2019 10:06 AM

シーゲイト、ブロックチェーンを試験へ

 ハード・ディスク・ドライブ(HDD)製造大手シーゲイト(Seagate)は、自社の供給網にブロックチェーン技術を導入する試験を本格化させる。

 フォーブス誌によると、同社は、IBMのブロックチェーン・プラットフォーム「ハイパーレジャー・ファブリック(Hyperledger Fabric)」の概念実証に2018年に着手し、2019年初頭にそれを終え、試験運用する方針を固めた。

 ハイパーレジャー・ファブリックを使うと、顧客がシーゲイト製品を受け取るまでの流れを正確に把握でき、なんらかの不具合が製品に生じて返品された場合の経緯や理由、その顧客の情報も把握できるようになる。

 さらに、返品されたHDDには、顧客のデータが保存されていないことをブロックチェーン経由で証明することで、欧州を中心に強まっているデータ保護規制にも対応できる。欧州委員会は、EU内でのデータ保護を強化するための一般データ保護規則(General Data Protection Regulation=GDPR)を2019年から施行している。

 米技術およびオンライン・サービス大手らは、利用者データの保護を保証するための対応に迫られているため、シーゲイトはブロックチェーンを活用することでGDPRに準拠できると考えている。

 シーゲイトはこれまで、製品そのものに対する保証として、QRコードを使って製品の詳細情報を顧客に提供してきた。それに対して、ブロックチェーンによる試みは、返品の際の顧客のデータ保護まで含めた「遡及供給網(reverse supply chain)」にも対応できることが特徴だ。

 遡及供給網は、製品が消費者側にわたったあとの流れを追跡できるようにする供給網管理のあり方を指す。

https://www.forbes.com/sites/benjaminpirus/2019/07/30/seagate-entering-pilot-stage-for-blockchain-supply-chain-project/#e25061639566