Tuesday, August 06, 2019 10:21 AM

大国対立、遠のく核廃絶 日本、橋渡し役果たせず

 広島は6日、被爆74年となる「原爆の日」を迎えた。市内で記者会見した安倍晋三首相は核兵器禁止条約への参加を改めて否定し、米露の中距離核戦力(INF)廃棄条約の失効についても米国への理解を示した。昭和、平成を経て新たな令和の時代に入っても大国の対立から核廃絶に向けた国際情勢は悪化している。被爆者からは、日本政府が自任してきた核保有国との橋渡し役を果たせていないと不満の声が上がった。

 安倍首相は会見で核禁止条約について「現実の安全保障の観点を踏まえることなく作成された」と否定的な見解を表明した。INF廃棄条約の失効に関しては「ロシアによる深刻な違反が継続してきた」と指摘。条約の失効は望ましくないとしながら「米国の問題意識は理解している」と、米政府の立場に配慮した。

 その上で「米国やロシア、中国を含む関係国を巻き込んだ軍縮の取り組みが進んでいくように、引き続き意思疎通を図る」と強調した。(共同)