Tuesday, August 06, 2019 10:22 AM

米、中国を為替操作国認定 元安けん制、対立新次元に

 トランプ政権は5日、自国通貨を安値に誘導しているとして、中国を「為替操作国」に認定したと発表した。上海外国為替市場で人民元が対ドルで約11年ぶりの安値をつけたことを受け、25年ぶりの認定に踏み切り、制裁も視野に是正を迫る。米中対立が通貨政策にも及んだことで、追加関税をかけ合う制裁・報復合戦は新たな次元に突入した。世界経済への打撃はさらに強まる恐れがある。

 トランプ大統領が対中制裁関税の第4弾を発動する意向を表明したのに対抗し、中国商務省は6日、中国企業が米農産品の新規購入を停止したと発表した。中国はレアアース(希土類)の対米輸出規制に動く可能性もある。残る交渉カードをにらみながら両国の駆け引きが激化しそうだ。

 中国人民銀行(中央銀行)は6日、「保護主義的な行為で国際ルールを破壊し、世界経済に大きな影響を与えるだろう」と米国を非難。足元の元安は市場動向が反映されたものだと主張した。(共同)