Wednesday, August 07, 2019 10:13 AM

小売業界、機械学習を販売増に活用

 大手の小売ブランドはほぼすべて、機械学習を活用するようになった。個々の顧客に応じた買い物体験を創造するのがそのおもな目的だ。

 AZビッグ・メディアによると、機械学習を使う場としては、オンライン店舗が圧倒的に有利だ。実店舗でも、店舗独自の顧客向け特典制度を提供して、会員顧客の購入履歴から購入実績をある程度は把握できるが、消費者が店舗内で費やした時間や、検討したものの買わなかった商品を追跡できない。オンライン店舗は膨大なデータを収集できるため、機械学習の効果が出やすい。

 機械学習のおもな使い道の一つが、顧客の好みや傾向に応じて商品を推薦する機能だ。推薦機能は、二つの取り組み方に大別できる。一つは、顧客の性別や年齢、購入履歴といった顧客本人に関する情報にもとづいて推薦商品を決める方法だ。もう一つは、購入実績に類似点があるほかの顧客が買った商品にもとづいて推薦商品を決める手法だ。

 効果的に推薦商品を表示すると、その画面を見なければ買わなかったはずの商品を買ってもらえるかもしれない。あるいは、競合他社で買う予定だった顧客が推薦商品に引かれてその場で購入する可能性もある。

 ただ、推薦商品の個人化は、へたに実践すれば顧客に不快感をもたらす危険性がある。小売チェーン大手のターゲット(Target)の場合、妊娠した女性が妊娠していることを家族に話すより先に妊婦用品を推薦して論争を巻き起こした。単純にその女性の購入履歴から推測した推薦商品だったが、推測が正確すぎたゆえの落とし穴だった。

 また、機械学習は、大量のデータから異常値を検出する能力も高いため、サイトの乱用と見られる行動を検知して、詐欺や不正の防止にも役立つ。

 さらには、電話やチャット、電子メールによる顧客対応の一部を人工知能で自動化するサイトも増えている。

https://azbigmedia.com/business/marketing/how-marketers-use-machine-learning-in-retail-and-e-commerce/