Friday, August 09, 2019 10:22 AM

博士、日本だけ減る傾向 科学立国の足腰弱さ露呈

 米国や英国、韓国など研究開発費が多い7カ国のうち、日本だけが人口当たりの博士号取得者数が減る傾向にあるとの調査結果を、文部科学省科学技術・学術政策研究所が9日、発表した。特に、2000年度には日本と同水準だった米韓がこの15年ほどで倍増し、大差がついた。大学の研究開発費の伸び悩みが反映した可能性がある。

 政府は科学技術立国を掲げ研究振興策を打ってきたが、基盤となる人材育成の弱さが露呈した格好だ。同研究所の伊神正貫室長は「博士号を生かせる就職先を見つけにくく、進学者が減った」と背景を推測。専門知識を持つ人材の雇用促進や、研究に専念できるような資金支援が課題となる。

 1年間に新たに博士になった人の数は、日本は00年度に人口100万人当たり127人だったが、16年度には118人に減少。一方、米国は141人が15年度に258人、韓国は131人が17年度に278人と増えた。(共同)