Friday, August 16, 2019 10:23 AM

北朝鮮核廃棄へロボ提供 政府、米に方針伝達

 政府が、北朝鮮と非核化交渉を進める米国に対し、北朝鮮内の核施設解体に向けてロボット技術を提供する用意があると伝達していたことが分かった。東京電力福島第1原発の廃炉作業に使用している日本製ロボットの技術を活用する。交渉が米朝を中心に進む中、非核化実現へ貢献する姿勢を示す狙いがある。複数の日本政府関係者が16日、明らかにした。

 北朝鮮は16日にも短距離の飛翔体を発射するなど挑発行為を繰り返すものの、トランプ大統領は非核化交渉を継続する意向を示している。米朝の実務者協議では、北西部寧辺に集まる黒鉛減速炉など核関連施設の廃棄が焦点。日本政府としては、北朝鮮が核放棄に応じた場合、核兵器以外の原子炉やウラン濃縮施設の解体に日本の技術力が生かせると判断した。

 関係者によると、2回目の米朝首脳会談を控えていた今年初め、日米両政府は北朝鮮の非核化に関する事務レベル協議を実施。米側は北朝鮮の核施設の核物質管理が不十分で、周辺が放射線で汚染されている可能性を指摘。日本側は「あらゆる支援を惜しまない」(政府筋)と技術面の協力を申し出た。(共同)