Thursday, October 10, 2019 10:22 AM

賞金の一部、研究助成へ 産業界から受賞「自慢」

 今年のノーベル化学賞に決まった吉野彰旭化成名誉フェロー(71)が10日、日本化学会(東京都千代田区)で記者会見し、賞金の一部を自らの寄付金を元に創設された研究助成事業に寄付する考えを示した。エネルギーや環境、資源の分野の研究を活性化させるため。

 企業の研究者として受賞したことについては「自慢したい。産業界の人もノーベル賞を取れると勇気づけた。製品を出して世の中を変えたことが評価された」と述べた。

 寄付先は、吉野さんが2013年にロシアのグローバルエネルギー賞を受賞した際の賞金を元手に、日本化学会が14年度に創設した「吉野彰研究助成事業」。毎年テーマを決め、これまで応募のあった研究課題から4件、各200万円を助成した。吉野氏は「ちょうど(資金の)切れ目だった。制度継続のため、賞金の一部を使っていただきたい」と述べた。(共同)