Wednesday, October 16, 2019 10:24 AM

香港議会、抗議で休会 逃亡犯条例は23日に撤回

 香港の立法会(議会)の新会期が16日始まった。冒頭で政府トップの林鄭月娥行政長官が施政方針演説に当たる「施政報告」を行おうとしたが、民主派議員らが一斉に抗議を始め休会した。デモの発端となった「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を政府高官が同日宣言する予定だったが、梁君彦議長は23日に延期される見通しを明らかにした。

 林鄭氏は休会を受けてビデオ演説という異例の形で施政報告を行い、住宅供給の拡大や就学者への補助金の充実など、多くの「アメ」施策を発表した。不動産価格高騰など、若者の過激デモの背景とされる社会不満の解消が狙い。一方で「少数の暴徒が香港を混乱と恐怖に陥れている」と非難、違法行為を全力で阻止する姿勢を強調した。政府は9月4日に改正案撤回を既に表明していた。

 立法会の建物は7月のデモ隊による占拠で破壊され、修復作業が行われていた。16日は抗議活動に備え、厳戒態勢が敷かれた。民主派議員は林鄭氏の辞任を求めたり、デモ隊のスローガンを議場に投影したりした。(共同)