Tuesday, October 29, 2019 10:25 AM

緒方貞子さん死去 元国連高等弁務官、92歳

 日本人初の国連難民高等弁務官として難民支援に貢献した国際協力機構(JICA)元理事長の緒方貞子(おがた・さだこ)さんが22日午前2時18分、東京都内の病院で死去した。92歳。東京都出身。JICAが29日発表した。葬儀は近親者で29日に実施した。後日、「しのぶ会」(仮称)を執り行う。安倍晋三首相は「世界の平和や安定、発展に長年にわたり多大な貢献をされた。心からの敬意と深い感謝を表する」とのメッセージを発表した。

 聖心女子大卒業後、カリフォルニア大学で政治学の博士号を取得。国際基督教大学准教授から1976年に国連公使に起用された。国連人権委員会の日本政府代表などを務め、91年1月に国連難民高等弁務官に就任。2000年末まで約10年間の任期中に、イラク・クルド、ルワンダ難民支援などに当たったほか、高等弁務官事務所の財政立て直しに取り組んだ。

 退任後、アフガニスタン復興支援政府代表を務めた。03年には、新たに発足した国際協力機構の初代理事長に就任。約8年半の在任中、現場重視の立場から40カ国以上に出張し、職員も積極的に派遣した。アフガンや南スーダンなど途上国支援に尽力した。(共同)