Wednesday, October 30, 2019 10:19 AM

アジア外交、空白に現実味 米不在、中国主導に警戒感

 トランプ政権は29日、東アジアサミットへの閣僚級の代表派遣見送りを発表した。インド太平洋地域に米外交の空白が生まれるとの懸念が現実味を帯び始め、安全保障を巡る議論の主導権を中国が握ることも予想される。東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部加盟国は中国と南シナ海の領有権を争っており、失望の声も上がった。

 東アジアサミットは来月4日、バンコク郊外で開かれる。米国は2011年の参加以来、大統領や国務長官らを毎年派遣、地域に関与する姿勢をアピールしてきた。中国の台頭をにらみ、東南アジアでの存在感を高めるオバマ前政権の戦略の一部だったが、多国間外交を嫌うトランプ政権はアジア関与を弱める姿勢が鮮明になっている。

 米政府はサミットとは別に、ロス商務長官が4日、バンコクでビジネスフォーラムを開く予定。ペンス副大統領は日本やオーストラリアと連携したインフラ整備支援を打ち出しており、どこまで具体化できるかが焦点だ。(共同)