Tuesday, November 05, 2019 8:53 AM

ジェンサームの熱管理技術でEVの航続距離延びる

 座席ヒーターなどの熱管理技術大手ジェンサーム(Gentherm、ミシガン州)のマイクロクライメート・サーマル・コンフォート・システム「ClimateSense」が、電気自動車(EV)の消費電力を節約し、航続距離の延長につながることが同社の調査で分かった。

 グリーンカー・コングレスによると、同社はこのほどミシガン州プリマスで開催されたシンポジウム「SAE Thermal Management Systems Symposium」で、ゼネラル・モーターズ(GM)と共同で行った調査結果を発表した。

 GMは、2人が乗った車両で現在と同等またはそれ以上の快適性を提供するのに必要な電力を30%削減することを目指している。ジェンサームは、GMのEV「シボレー・ボルト」に2ゾーン「ClimateSense」システムを搭載して座席を中心とするマイクロクライメート・コントロール(車室内の個別の冷暖房)システムの概念実証(POC)を行った。

 「ClimateSense」には、先進温度供給方法、エレクトロニクスの統合、組み込みソフトウェア、新しい熱生理学を基にした人の制御アルゴリズムなどが導入されている。

 GMとの共同調査では、新しい快適性測定方法も導入して、乗員の快適さとマイクロクライメート冷暖房システムの性能を測定した。その結果、以下のことが分かったという。

 ・「ClimateSense」を2人分のゾーンで稼働させると、零下7℃の寒冷地条件で2人合わせた快適性向上に必要な電力を50〜69%節約できる。

 ・「ClimateSense」を2人分のゾーンで稼働させると、暑い環境で2人合わせた快適性向上に必要な電力を34%節約できる。

https://www.greencarcongress.com/2019/10/20191031-gentherm.html