Tuesday, November 19, 2019 9:27 AM

習氏国賓来日へ理解要請 政府、反対論拡大を警戒

 政府は来春に見込まれる習近平・中国国家主席の国賓来日を巡り、これに異議を唱える国内保守層の理解獲得に努める構えだ。反対論が拡大すれば、実現困難になりかねないとの警戒感がある。菅義偉官房長官は19日の記者会見で「懸案を解決するためにも、両政府のハイレベルが大局的な観点から率直に議論し、中国に前向きな対応を促す必要がある」と訴え、実現への理解を求めた。

 香港での自由や権利の抑圧、沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入を背景に、自民党内からは「中国のトップを国賓として歓迎できる状況にない」(中堅議員)との声が上がる。日中関係改善を外交成果としたい安倍晋三首相としては、来春までに環境整備をどこまで図れるかが課題になる。

 自民党の保守系グループは13日、習氏の国賓来日に反対する決議文を官邸に提出した。また一部の野党は、中国の香港対応を批判しない政府の姿勢を「人権侵害に対して抗議しないという表明にほかならない。こんなだらしのない態度でいいのか」(共産党の志位和夫委員長)と問題視する。茂木敏充外相は19日の会見で、受け止めを聞かれると「習主席訪日を見据え、主張すべきはしっかりと主張し、解決できる問題については一つ一つ解決したい」と強調した。(共同)