Tuesday, December 03, 2019 9:26 AM

「子どもに苦痛」は体罰 長時間正座、夕飯抜き

 子どもに対する親の体罰を禁じた改正児童虐待防止法などが来年4月から施行されることを受け、厚生労働省は3日、体罰の定義を含む指針素案を検討会に示し、大筋で了承された。体罰を、子どもの身体に苦痛や不快感を引き起こす行為(罰)と初めて定義。「長時間の正座」「夕飯を与えない」など五つの例を挙げた。虐待事案で暴力がしつけ名目で正当化されていたことを踏まえ、しつけとの違いを明確にした。

 指針素案は、子育てへの社会全体での支援が目的で、保護者を罰したり追い込んだりすることは意図していないと強調。暴言や怒鳴るなどの行為は体罰ではないが、子どもの権利を侵害し心を傷つける行為とした。子どもの身を守ろうとしたり、第三者に被害を及ぼす行動を止めたりする行為は体罰に当たらないと規定した。

 体罰の具体例としては①注意したが言うことを聞かないので頬をたたく②いたずらしたので長時間正座させる③友達を殴ってけがをさせたので同じように殴る④物を盗んだので罰としてお尻をたたく⑤宿題をしなかったので夕飯を与えないーを挙げた。(共同)