Thursday, December 12, 2019 9:24 AM

ICBM封じに軌道修正 米、交渉再開狙い包囲網

 【ワシントン共同】北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)関連の可能性がある「重大実験」の実施など挑発を強めていることを受け国連安全保障理事会は11日、公開会合を開催した。会合を要請したトランプ政権は事実上黙認してきた短距離ミサイルの発射を批判し、ICBM実験阻止に向け軌道修正を図った。各国の包囲網を強め、硬軟両様の対応で交渉再開に誘導する狙いだ。

 米国のクラフト国連大使は会合で「弾道ミサイル実験は射程にかかわらず明確な安保理決議違反だ」と述べ、短距離弾道ミサイルの発射も容認しない姿勢を強調した。

 トランプ氏にとって、金正恩朝鮮労働党委員長と直接対話できる関係を築いたことは数少ない外交成果だ。だが、再選を目指す来年の大統領選が近づいており、米本土を狙うICBM開発の進展を許せば、極めて大きな失点となりかねない。対応が急務となるが、実際には打つ手は限られているとの見方が根強い。