Thursday, January 09, 2020 9:28 AM

習氏来日時に新政治文書 日中、地域安定へ「責任」

 日中両政府は、両国関係を新たに規定する重要文書「第5の政治文書」を作成し、今春に予定する習近平国家主席の国賓訪日時に発表する方針を固めた。昨年12月、安倍晋三首相と習氏が北京で会談した際に方向性を確認した。13日にも外務省の秋葉剛男事務次官が訪中し、内容に関する協議に着手。東アジアを含む世界の平和や安定に向け日中双方が果たすべき「責任」があると明記する方向だ。複数の関係筋が9日、明らかにした。

 過去の政治文書は、1972年の共同声明、78年の平和友好条約、98年の共同宣言、2008年の共同声明の四つ。このうち戦略的互恵関係の推進を掲げた08年の共同声明は、東シナ海ガス田開発問題など懸案が山積する中、関係を立て直す意味合いがあった。その他の文書も、日中関係の節目で発表されてきた。

 「第5の政治文書」は日本側にとり、経済や軍事両面で影響力を強める中国の「責任」を明文化することで、国際秩序を尊重して行動するよう促す狙いがある。今後の文書を巡る協議では、気候変動などの地球規模の課題や、北朝鮮を含む地域情勢を提起したい考えだ。ただ両国間には沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵入や中国国内で相次ぐ邦人拘束など懸案も多く、文言調整は難航が予想される。(共同)