Friday, June 24, 2016 10:33 AM

G7、為替急変動けん制 金融安定へ緊密協議

 日米欧の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は24日夜、英国民投票での欧州連合(EU)離脱派勝利を受け緊急の電話会議を開き「市場の動向と金融の安定を緊密に協議し、適切に協力する」との声明を発表した。円高や英ポンド安などを念頭に為替相場の急激な変動をけん制し、市場の動揺を抑えるため各国中央銀行が資金供給を強化する姿勢を示した。電話会議に先立ち安倍晋三首相は関係閣僚会議を開き、日銀やG7各国と協力して万全の対応を取るよう指示した。

 英中央銀行のイングランド銀行(BOE)は、民間銀行に2500億ポンド(約35兆円)以上の資金を追加で供給する用意があると表明。米連邦準備制度理事会(FRB)は「必要に応じドル資金を供給する用意がある」とする声明を出した。欧州中央銀行(ECB)も声明で、ユーロまたは外貨建ての資金供給の用意があるとした。ロイター通信によると、スイス国立銀行はスイス・フランの急騰を阻止するため市場に介入した。こうした各国中銀の取り組みに加え、G7各国政府の協力態勢により、世界経済の失速を食い止められるかが今後の焦点となる。

 G7声明は為替相場に関し「過度の変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を与え得る」と言及した。麻生太郎財務相は電話会議後に「為替市場の動向をこれまで以上に注視し、必要に応じて対応を行う」とする黒田東彦日銀総裁との共同談話を発表した。(共同)