Tuesday, January 21, 2020 9:31 AM

日本型雇用見直し提起 経団連、春闘指針発表

 経団連は21日、2020年春闘で経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」を発表した。経済のデジタル化や国際競争に対応し、年功型賃金と終身雇用を柱とする日本型雇用慣行を見直す必要性を提起。賃上げは前向きな検討が「基本」とし、基本給を底上げするベースアップ(ベア)も容認したものの、全社員一律に報いる方法だけでなく職務や成果を重視した配分が適切だと記した。

 指針は、企業ごとの課題が違うため、業界横並びの集団的賃金交渉が「実態に合わなくなっている」との疑問も示して変革を求めた。世界経済の減速感が続く中、労組がデフレ脱却の意義や企業間格差の是正要求で足並みをそろえ、賃上げの勢いを保てるかどうかが焦点となる。

 春闘は経団連と労組側代表の連合が来週開く会合で事実上始まる。経団連の大橋徹二副会長は記者会見で「賃上げも大事だが、労働条件などの議論を労使でさらに深めていくべきだ」と述べた。(共同)