Tuesday, January 28, 2020 9:11 AM

緊急車両の接近を検知、警告〜セレンスの新技術

 会話型人工知能(AI)大手ニュアンス・コミュニケーションズ(Nuance Communications)から2019年にスピンオフした車載ソフトウェア開発のセレンス(Cerence、マサチューセッツ州)は、路上で緊急車両のサイレンが聞こえた時にドライバーにその接近を知らせる新技術「セレンス・エマージェンシー・ビークル・ディテクション」(EVD)を発表した。

 「セレンスEVD」は新しいハードウェアを必要とせず、すでに搭載されているマイクを使って、緊急車両のサイレンに固有な音の構造を活用して聞こえて来る方向を認識する。同社コア・オートモーティブ部門のステファン・オートマン氏は「ドライバーは、特に大音量で音楽を聴いていたりほかのことに気を取られていたりした場合、緊急車両の接近を知ると一瞬パニックに陥る。『セレンスEVD』はこの問題に対処する目的で開発され、ドライバーの安全を維持し情報を提供するシステム。車の自律走行化が進む中、車内体験の重要な要素になる」と話している。

 「セレンスEVD」は、消防車、救急車、パトカーなどさまざまな緊急車両のサイレンを聞き分けられ、サイレンを認識するとラジオなど車載機器の音量を下げ、車の視覚/音声インフォテインメント・システムを使ってドライバーに知らせる。同技術は20年中にさまざまなモデルの車両で提供が始まる予定。

 セレンスは、独立後は自動車向けサービスに特化しており、コネクテッドカー、自動運転、電動車に関する同社のソリューションは現在約3億2500万台の車で使われているという。

https://investors.cerence.com/news-releases/news-release-details/cerence-introduces-emergency-vehicle-detection-bringing-enhanced