Friday, January 31, 2020 9:28 AM

感染拡大に危機感にじむ 中国、1万人超え目前

 【北京、ニューヨーク共同】中国外務省は31日、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスによる肺炎を巡り緊急事態宣言を出したことを受け、即座に国際社会との「協調」姿勢を示す談話を公表した。世界全体の感染者数が1万人を超えるのが目前となる中、感染の拡大に歯止めがかからない現状への危機感がにじんだ。

 中国政府は31日、中国本土の死者が213人、感染者が9692人に増えたと発表した。30日だけで死者が43人、感染者が1982人増加。2002〜03年に世界で大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)を大幅に上回った。

 中国外務省は華春瑩報道局長の談話で「WHOや各国と共に世界や地域の衛生面の安全を確保したい」と訴えた。中国の初動対応の遅れや情報の隠蔽が指摘される中、信頼回復を図りたい狙いがうかがえる。