Tuesday, February 25, 2020 9:22 AM
感染拡大、パラへ懸念 自粛の五輪より深刻
新型コロナウイルスの感染拡大で、半年後に開幕する東京パラリンピックへ懸念が生じている。呼吸器系の疾患で重症になりやすい選手が多いパラスポーツでは、肺炎が大きな脅威ともなる。既にボッチャの国際大会中止など今月のイベント開催を直撃。五輪関連行事も同様の影響が出ているとはいえ、自粛ムードが先行する。パラの事態はより深刻だ。
障害者スポーツに詳しい目白大の佐藤広之教授(リハビリテーション医学)は「車いす利用者、特に頸髄損傷の人は呼吸に使う筋肉の動きが弱い。たんやせきが出しにくく、ウイルスに対して自然な防御がしにくい」と説明する。ボッチャやパラ競泳、車いすラグビー、車いすテニス、パラ射撃などは、頸髄損傷で上肢や下肢に障害がある選手も取り組む競技だ。
28日から予定されていたジャパンパラ大会の開催が見送られたボッチャは、日本協会によると強化指定選手の大部分が基礎疾患を持っている。障害が最も重いBC3クラスでは、人工呼吸器を使用しながらのプレーも見られる。東京パラでボッチャの医療責任者を務める予定の佐藤教授は「観客にも同様の障害がある人が多い。通常のスポーツイベントのように元気な選手を元気な人が見に行くわけではない」と中止を進言した。(共同)
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