Thursday, March 05, 2020 9:09 AM

電動小型商用車の生産量、30年には240万台突破か

 英国の市場調査会社IDTechEx(アイディーテックエックス)は、電動小型商用車(eLCV)の世界生産量が2030年までに年間240万台を超えると予想する報告書「Electric Vans 2020-2030」を発表した。

 グリーンカー・コングレスによると、中国、欧州、北米など主要市場における向こう10年の見通しを詳細にまとめたこの報告書は、現在のLCV市場について「電動化に向かう急速な移行期にある」と指摘する。

 LCVを運用する事業者は通常、総所有コスト(TCO)の計算などに基づいて購入決定を下しており、今はeLCVの初期費用が同等のディーゼル車より高い状況にある。しかし、eLCVはディーゼル燃料の代わりに電気を使うことで運用コストを大幅に節約できるため、初期費用の差を相殺できることが証明され始めている。

 次の10年で電池パックのコストが低下し、電動ドライブトレインの効率が向上して、規模の経済で電気部品や車両製造コストが大幅に抑えられるようになれば、最低コストが提供され、電動バンの運用者にとって競合上優位になる。

 これに都市部の低排ガス区域におけるディーゼル車の通行料金を加えると、TCOバランスが大きくeLCV側に傾いてくる。企業は今後数年間で、eLCVが実用走行距離、最大積載量、信頼性などの要件を満たせることを実証するための大規模なパイロット・プロジェクトを実施し、コストを上げずに運用要件を満たせる確証が得られれば、ディーゼルLCVから電動LCVへの入れ替えが本格化すると見込まれる。

https://www.greencarcongress.com/2020/03/20200302-elcvs.html