Wednesday, March 11, 2020 10:15 AM

トヨタ7年ぶりベア見送り 鉄鋼大手も、賃上げ抑制

 2020年春闘は11日、主要企業の集中回答日を迎えた。トヨタ自動車はベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を13年以来、7年ぶりに見送ると回答した。日本製鉄など鉄鋼大手3社も7年ぶりにベアを実施しない。日産自動車の回答も前年実績を下回った。米中貿易摩擦に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で先行きには急速に不透明感が高まり、賃上げを抑制する企業が相次いだ。ダイキン工業は新型コロナ対応に集中するとして労使交渉を中断した。

 トヨタは前年実績より2100円少ない1人平均8600円の賃上げを労働組合に回答した。ベアは実施しない。要求は定期昇給とベア相当分を含めた総額で平均1万100円だった。年間一時金(ボーナス)は要求通り6.5カ月分を満額回答した。日産は前年実績を2000円下回る1人平均7000円の賃上げを回答した。ベア相当額は明らかにしていない。ホンダの回答はベアと成果報酬に充てる新たな原資を合わせて1人平均計1500円となった。

 日本製鉄とJFEスチール、神戸製鋼所は7年ぶりにベアを見送った。鋼材需要が低迷し、日本製鉄が20年3月期連結純損益を過去最大の赤字と見込むなど、各社の業績は悪化している。(共同)