Thursday, March 19, 2020 10:29 AM

スリランカ外交、強硬姿勢 議会選前に政権が支持固め

 【ニューデリー共同】スリランカのラジャパクサ政権が4月予定の議会(定数225)選を前に外交面で強硬姿勢を見せている。軍トップを入国禁止にした米国を批判し、2009年に終結した内戦での戦争犯罪解明を巡り国連への協力拒否に転じた。議会では大統領派が少数で政権運営の安定化には勢力拡大が不可欠。支持層に指導力を訴える狙いとみられる。

 ポンペオ米国務長官は2月、内戦の最終局面で不当な殺害に関与し人権を侵害したとして、スリランカ軍トップのシルバ氏の米国入国を禁止した。国際社会は内戦時の戦争犯罪の真相究明を求めているが、終結から10年以上たっても作業が進んでいないため、圧力をかけたとみられている。

 しかしラジャパクサ大統領の兄マヒンダ・ラジャパクサ首相は同19日の声明で「米国による主張の中身は不明だ」と不快感を表明。スリランカ政府は同26日、国連人権理事会の会合で真相究明を求める人権理決議に協力しないと明らかにした。