Monday, April 20, 2020 10:30 AM

抗体検査、信頼性に課題 経済再開機運の米で注目

 【ワシントン共同】経済活動再開の機運が高まる米国内で、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査が注目を集めている。体内に抗体がある人は一般に再感染しにくいとされ、早期の社会復帰が可能と考えられるためだ。だが米メディアは19日、現状では信頼性が低い検査もあるなど、課題が多いと指摘した。

 ワシントン・ポスト紙電子版によると、米国内では90種類以上の抗体検査キットが市販されている。食品医薬品局(FDA)が事前に判定結果の信頼性を評価しなくても、メーカーによるデータの提出など一定の条件を満たせば販売できる措置を取っているためだ。FDAが事前評価した上で医師に緊急使用を認める仕組みもあるが、わずかな事例にとどまる。

 ニューヨーク・タイムズ紙電子版は、民間企業や医療機関などが従業員の抗体の有無を調べるために独自にキットを購入する動きを報じた。だがテキサス州の地域の保健当局が住民の感染規模を調べようとしてキットの信頼性を検証したところ、約20%しか判定が正しくないことが判明。メーカー主張の93〜97%からかけ離れていた。