Thursday, May 07, 2020 10:10 AM

米欧敵視、ソ連世界観回帰 「プーチンのロシア」20年

 【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領(67)が2000年5月に初めて大統領に就任し、最高実力者の座に就いてから7日で20年。ソ連崩壊後、米欧と同じ価値観を持つ民主国家を目指したロシアは、プーチン時代の20年を経て、再び米欧と対決するソ連の世界観に回帰。中国に接近するなど独自の道を模索している。米露対立の激化で、日本と北方領土問題を解決し平和条約を結ぶ機運も遠のいた。

 プーチン氏は当初、エリツィン初代大統領の米欧協調路線を継承したが、北大西洋条約機構(NATO)がソ連圏だった東欧諸国を加盟させ、旧ソ連諸国も取り込もうとしたことに猛反発。08年8月のジョージア(グルジア)戦争や、14年春のウクライナ南部クリミアと東部へのロシアの軍事介入は、旧ソ連諸国がNATOの影響下に入ることを「武力行使してでも阻止する」との強烈なメッセージだった。

 プーチン氏は、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約や中距離核戦力(INF)廃棄条約を一方的に離脱した米国が軍事的優位に立つことを警戒。ロシアは新たな「極超音速」の戦略核兵器を開発し、優位に立ったと主張している。