Tuesday, May 19, 2020 10:38 AM

「医学軽視」批判高まる トランプ氏の抗マラリア薬

 【ワシントン共同】トランプ大統領が18日、新型コロナウイルス感染症の予防のために抗マラリア薬を服用していると明かしたのに対し、専門家らから「医学的根拠がなく無責任」と一斉に批判の声が上がった。11月の大統領選に向け、自ら推奨する薬の安全性をアピールする狙いだが、副作用で死亡の危険も指摘される薬の安易な使用に懸念が強まっている。

 トランプ氏はホワイトハウスで記者団に、10日ほど前から使い始めた抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンが有望だと強調した上で「今のところ体調も問題ない」と述べた。感染の再拡大に対する国民の不安を払拭し、再選に不可欠な早期の経済活動再開を後押ししたい思惑がにじんだ。

 だが同薬は新型コロナ感染症への有効性は確認されておらず、不整脈を起こす恐れも指摘されている。ニューヨーク・タイムズ紙によると、医師らからは不確かでリスクのある薬を「大統領職を利用して推奨している」と問題視する声が出ている。