Wednesday, May 20, 2020 9:58 AM

バッタ繁殖で食糧危機も 感染広がるパキスタン

 【イスラマバード共同】新型コロナウイルスの感染拡大が続くパキスタンで、バッタが大量に繁殖し食糧被害が懸念されている。国連は群れが今後、インド国境周辺に移動し、6月には東アフリカから別の群れが到達する恐れがあると予測。約3分の1の地区が既に影響を受けており、政府関係者は「食糧だけでなく経済に大打撃になる」と危機感を募らせる。

 「タマネギやメロンに被害が出た。過去にない規模だが、政府は助けてくれない」。南西部バルチスタン州の農家バルカット・ゼイブさん(35)は悲鳴を上げた。

 バッタは1日に最大150キロ移動し、食い散らかした後に次の標的に向かう。国連食糧農業機関(FAO)によると、2018年にアラビア半島で繁殖したバッタがイランを経由し、19年夏にパキスタンにやって来た。