Friday, June 05, 2020 10:01 AM

手口巧妙、隠し口座で不正 重量挙げ、刑事事件発展も

 【ジュネーブ共同】国際重量挙げ連盟(IWF)によるドーピング違反の隠蔽や組織内の汚職を暴いた4日公表の調査報告書は、長年の独裁体制で不正を繰り返したアヤン前会長(ハンガリー)の巧妙な手口や隠し口座の存在を浮き彫りにした。使途不明金は1040万ドル(約11億3000万円)に上り、刑事事件に発展する可能性も出てきた。

 独立調査委員会がまとめた122ページの報告書では、アヤン氏の20年間に及ぶ長期政権下でドーピング違反に伴って支払われた罰金の横領やIWFの銀行口座から多額の現金が不正に引き出された実態を明らかにした。

 流用した資金は改選における票の買収にも使われたとみられる。IWF本部や加盟国・地域の関係者が調査に非協力的だったことも指摘され、重量挙げ界に根付く隠蔽体質も問題視した。