Friday, June 05, 2020 10:02 AM

安定供給確保へ政策強化 19年度エネルギー白書

 政府は5日、2019年度版のエネルギー白書を閣議決定した。原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡付近で19年6月に日本関係船舶が攻撃された事例を挙げ、中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりは「エネルギー安全保障上の大きな課題」と指摘。安定供給の確保に向けて「政策の強化が必要」とした。

 日本は中東地域からの原油の調達が全体の9割近くを占め、大きく依存している。中東各国との積極的な資源外交を続けるとともに、液化天然ガス(LNG)についても米国やロシアを含めて調達先の多角化を進める姿勢を示した。

 電力インフラを巡っては、19年秋の台風被害で停電が長期化し「レジリエンス(強靱性)に関する新たな課題が浮き彫りになった」と明記した。政府は災害後の復旧が円滑に進むよう、電力会社に他電力などと連携する計画の策定を義務付ける改正法案を今国会に提出しており、安定的な電気供給の体制を整備する。(共同)