Tuesday, June 09, 2020 10:24 AM

コロナ打撃、新興国に 景気後退、世界の9割以上

 【ワシントン共同】世界銀行は新型コロナウイルス危機で、世界の90%以上が景気後退に陥ると分析した。1929年に始まった大恐慌の約85%を上回り、景気が落ち込むスピードも「最も激しい」と強調。より大きな打撃を受けているのは新興国や発展途上国だ。デフォルト(債務不履行)が続けばさらに金融危機を招き、世界経済は負の連鎖が続くことになる。

 世銀によると、1870年以降の景気後退は14回。先進国は自国経済の救出に奔走し、感染拡大防止のため欧米諸国が相次いで導入した人やモノの移動制限は、資源輸出や観光などに経済の依存度が高い新興国や途上国を直撃した。

 米企業などは当面の資金を確保するため「有事のドル」を買う動きが加速した。新興国などはドル建ての債務を抱えるため、自国の通貨は安くなる一方、債務負担は膨張する悪循環に。