Friday, June 11, 2021 11:00 AM

人工知能で人間より劇的に速いチップ設計を可能に

 グーグル(Google)は、コンピュータ・チップを人間より速く設計できる人工知能ソフトウェアを開発した。
 CNBCによると、人間であれば数ヵ月かかるチップ設計をグーグルの新たな人工知能は6時間未満で設計できる、と同社は科学誌「ネイチャー」に9日に発表した論文のなかで説明した。

 同ソフトウェアは、GPU(graphics processing unit)やCPU(central processing unit)、メモリーといった主要構成品をシリコン上のどこにどのように配置することで優秀なチップをつくれるかというチップの「見取り図、間取り図」を設計する。

 極小基板上に印刷される回路の場所や質は、チップができあがった際の電力消費量や演算処理速度に直接影響する。人間のチップ設計工学者らが、その設計を最適化しながら「見取り図」を完成させるには、一般に数ヵ月を要する。チップ設計に特化して膨大な数の設計や性能に関するデータを使って訓練された同ソフトウェアは、チップの目的や用途、仕様に応じて最適の設計を特定する。

 ネイチャーの編集部は同社のその技術革新について、「チップの供給網を高速化するのに貢献する非常に大きな成果だ」と高く評価した。

 ただ、同誌はそれと同時に、同技術にもとづくチップ開発および生産の生態系を世界規模に拡大するためには、グーグルがその手法を技術業界全般で共有する必要がある、と指摘した。

https://www.cnbc.com/2021/06/10/google-is-using-ai-to-design-chip-floorplans-faster-than-humans.html