Thursday, June 24, 2021 10:09 AM

マグナ、22年からフィスカーの電動SUV生産へ

 電気自動車(EV)ベンチャーのフィスカー(Fisker、カリフォルニア州)は、2022年後半に発売を予定する電動SUV「オーシャン(Ocean)」の生産をカナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルに正式に委託する契約を交わした。

 グリーンカー・コングレスによると、両社はこれまでに「オーシャン」のEVプラットフォーム共有と先進運転支援システム(ADAS)に関する契約を交わしており、今回の合意で両社が20年10月から構築してきた協業の枠組みが完成する。

 フィスカーとマグナは、いくつかの大手自動車メーカー向けに370万台を超える車両を受託生産してきたオーストリア・グラーツにあるマグナの製造施設で、22年11月17日から「オーシャン」の生産を開始する予定。

 今回の契約は広範かつ包括的な内容で、29年までのプログラム期間全体にわたって生産量、製造コストおよび品質指標のほか、重要な計画段階や立ち上げ段階などすべてのステップを含む。また、ボディーショップ(板金塗装部門)を含む全ての施設投資を支え、22年11月に生産を開始し、短期間でフル生産に拡大するための明確な道筋を整えている。

 この契約で両社の提携は強化され、「オーシャン」その他の「FM29」アーキテクチャー車両の増産や、生産工程の効率化での協力が可能になる。

 「オーシャン」は、マグナが開発した「FM29」プラットフォームを使い、フィスカーはこれを調整する過程で新しい知的財産(IP)を開発している。「FM29」はアルミを多用し、フィスカーが開発したIPと組み合わせることでクラス最高の航続距離と内部空間を提供する見通し。

 また、「FM29」によって部品や製造コストも抑えられ、米国におけるメーカー希望小売価格(EV関連の補助金を除く)は3万7499ドルから、ドイツでは3万2000ユーロ未満(税金およびEV関連の補助金を含む)になる見込みだという。

https://www.greencarcongress.com/2021/06/20210618-fisker.html