Thursday, August 12, 2021 4:48 AM

ターゲット、従業員らの大学費用全額を無償提供

 小売チェーン大手ターゲット(Target)は8月4日、不足する労働力を確保するために、大学と大学院の授業料を特典として従業員らに無償供与する方針を打ち出した。

 CNBCによると、同社は、2021年の秋学期から、大学または大学院に通う常勤および非常勤の従業員の授業料と諸経費、教科書代の全額を負担する。

 同制度にはおもに二つの規定がある。まず、同制度適用対象である40以上の大学のうちいずれかに通うこと。そして、大学院の場合は、それらの大学の大学院の修士課程を適用対象とし、年間1万ドルを上限に同社が負担するというものだ。

 昨今、労働力不足を受けて、人材確保のために特典を拡大する動きが活発化している。特に、経済活動の正常化にともなって消費者が戻ってきた小売業界とレストラン業界でその動きが活発だ。スターバックスやチポートレも、大学に通う従業員に学費を支給するほか、ウォルマートも、学費全額と教科書代を出す方針を最近発表した。

 ターゲットの場合、米国内にある支店や配送センター、本社に勤務する従業員が同特典の対象となる。同社が負担する学費は、コンピュータ科学や情報技術、経営(ビジネス管理)を含む250学科のいずれかを専攻する従業員に支給される。

 それら250学科のなかに含まれない学問を専攻する場合は、学士課程の場合に年間最大5250ドルが支給される。修士課程の場合は専攻に関係なく年間最高1万ドルまでターゲットが負担する。それらの学費は、同社から当該大学(または大学院)に直接支払われる。

 ターゲットは、向こう4年間に総額2億ドルを教育特典制度に投じる計画だ。同社は、アリゾナ大学やオレゴン州立大学、デンバー大学、コーネル大学らと提携している。同社はそれによって、特に技術や経営の分野で優秀な人材の確保を強化したい考えだ。

https://www.cnbc.com/2021/08/04/target-rolls-out-debt-free-college-degrees-to-woo-retail-workers.html