Thursday, September 30, 2021 4:36 AM

ESG活動が自社の評判に影響、と企業幹部の78%が回答

 企業幹部の半数以上は、ESG(environmental, social, and governance=環境、社会責任、企業統治)を重視する自社の活動にまったくまたは少ししか自信を持っていないことが、政策研究所OCEG(Open Compliance & Ethics Group、アリゾナ州拠点)の国際調査でわかった。

 ロイター通信によると、同調査はおもに欧米を拠点とする530社の幹部を対象に行われ、各社のESG活動の現実味と成熟度について聞いた。

 その結果、ESG活動に対する意欲や開示状況、基準が会社ごとに大きく異なることが判明した。グリーンウォッシング(Greenwashing、見せかけだけの環境保護活動)を懸念する規制当局からも注目されそうだ。

 OCEGの報告書によると、ESG活動が会社のブランドや評判に影響を与えると考える幹部は78%を占める一方、それが業績向上につながると信じる幹部は48%にとどまった。また、自社のESGが「よく練られ、かつ十分に書面化された」活動であるかどうか、まったく自信がないと答えた幹部はおよそ28%だった。30%は少しだけ自信を持っており、大いに自信があるとの回答はわずか9%だった。

 拘束力のないESGの枠組みが各社や政府間組織によって公開されているが、米国や欧州連合(EU)に代表される経済先進国の規制当局は、ESGへの取り組みとその内容開示に関する包括的かつ調和のとれた基準をまだ設定していない。

 調査回答者の過半数は、自社が行う投資の一部ではESG指標を考慮していると回答した。また、32%は、幹部報酬の算出においてESG要因も加える計画だと答え、20%はすでにその方法を導入していると答えた。

 調査に答えた幹部のうち3分の2は、ESG活動またはESG規則の担当者だった。