Tuesday, January 04, 2022 11:53 AM

チップ販売、2022年に9%増の見込み

 取り引き信用保険会社オイラー・ハーミース(Euler Hermes)は1月3日、チップ製造業界が新型コロナウイルス・パンデミック時代の「明確な勝者」であり、その勢いは2022年も継続するという見方を示した。

 CNBCによると、「現在の半導体周期は、チップ業界が2019年に最悪の不況から脱出して以来、フル稼働の状況を維持できる状態にある」とオイラー・ハーミースの技術業界専門家は報告した。

 オイラー・ハーミースによると、チップ業界は2022年に9%成長し、売上高が史上初めて6000億ドルを超えると予想される。2021年には前年比26%増の5530億ドルを記録した。

 世界規模での経済活動正常化が進むなか、チップ業界はさらに旺盛な需要への対応をせまられる。変異ウイルスの流行によってパンデミック収束に関する不透明感はつきまとうものの、感染者の重症化や致死率は非常に低い。

 TSMCを筆頭にチップ製造大手らは生産能力増強計画を発表しているが、新施設の稼働開始には複数年かかるため、チップ不足が2022年中に解消される可能性はほぼない。したがって、チップ・メーカーらの販売増は今後もしばらく続く見通しだ。TSMCの台湾上場株は、過去2年間で80%以上高騰した。

 オイラー・ハーミースによると、チップ・メーカーらの好調には、1)需要増、2)チップ価格高騰、3)チップ製品種の混合具合の最適化、という三つがある。そのどれも2022年いっぱい続く見通しだ。

 ただ、チップ業界にはリスクもある。チップ大手らが2021年にあいついで発表し着手した新工場計画や既存施設拡張計画によって1~3年後にはかなりの生産能力が追加されることになるが、チップ需要が正常化すれば、上述三つのうち1と2の成長要因が一気に落ち着き、増えた生産能力の大きな部分の稼働率が一気に下る可能性は排除できない。

https://www.cnbc.com/2022/01/03/chip-sales-are-set-to-grow-nearly-10percent-in-2022-under-a-riskier-backdrop-report.html