Thursday, January 20, 2022 9:53 AM

フォードとADT、車載セキュリティーシステムの合弁設立

 フォードと大手警備会社ADT(フロリダ州)は、商用および個人向け車載セキュリティーシステムの開発と販売のための合弁会社キャノピー(Canopy)を1億500万ドルで設立した。

 ロイター通信によると、デトロイトとロンドンに本社を置く予定のキャノピーは、ビデオカメラを使って車と車載機器を監視する独立型のセキュリティーシステムを開発する。顧客は携帯電話のアプリケーション経由で動画を同時ストリームで受信できる。同社は最初のシステム製品を12カ月以内に市場投入する予定。

 システムはさまざまなタイプの車両に自分で取り付けられるよう設計されており、フォード販売店やその他の小売店、オンラインから購入できる。ADTはサブスクリプション方式(月額制)で監視サービスも提供する。同システムの価格やサービス料金はまだ発表されていない。

 キャノピーの暫定CEOを務めるフォードのクリスチャン・モラン氏によると、キャノピーは最終的に工場で搭載するセキュリティーシステムを開発する計画。合弁への出資率はフォードが60%(6300万ドル)、ADTが40%(4200万ドル)。

 既存の顧客に車両セキュリティーシステムを提供する自動車メーカーはフォードが初めてとなる。キャノピーは他の自動車メーカーや保険会社、技術系企業にも売り込む予定だ。

 キャノピーのシステムは、ダッシュボードカメラと同サイズのパッケージに音響センサーと人工知能(AI)を使ったフォードのカメラ技術が詰め込まれている。この装置はピックアップ・トラックの荷台やバンの荷室にも取り付け可能。

 キャノピーは、2023年初めには米国と英国の「F150」ピックアップおよび「F150」電動ピックアップ、「Eトランジット」電動バンなどの所有者を対象に、システムの販売とサブスクリプションサービスの提供を始めたい考えだ。