Wednesday, March 09, 2022 7:21 AM

トヨタ社長、生産計画の下方修正を表明

 減産の挽回生産に取り組んでいるトヨタの豊田章男社長が9日、人員や設備などの能力を超えた足元の生産計画について「異常」だとし、現在の生産計画を現実に即したものに見直すことを正式に決定したと述べた。ブルームバーグが同日付のトヨタの自社メディア「トヨタイムズ」が報じたと伝えた。

 豊田氏は9日開催された春闘の労使交渉で、4月から6月を、仕入れ先の状況を踏まえた基準となる生産計画を作り、健全な職場環境を整えたいと思っていると述べた。

 トヨタは、4-6月の生産計画については「より現実的な目線」で仕入れ先に対して説明していることをあきらかにした。具体的な数字を今後、明らかにするとし一定のリスクを考慮してこれまでよりも計画を引き下げた形で「いったん整えていきたいとしている。

 豊田社長によると、組合からも台数をこなすために残業でやりくりしている状況は異常、との指摘があり、社内からももう限界との声があった。何度も直前に生産計画の変更を迫られている今の状況は「危機対応」というべき状態だと表現した。

 トヨタは昨年夏以降、感染拡大や半導体不足で減産を余儀なくされ、2月に22年3月期の生産台数見通しを850万台と50万台引き下げた。トヨタとしては今後挽回生産に力を入れる予定だった。